トルコ エルドアン 大統領が退陣すればトルコは買いだ

アジア株

6月24日トルコで大統領選挙が実施されます。

今回の選挙は、エルドアン大統領の政策に対して可否を問う選挙であると言えます。

現在、トルコでは、自国通貨であるリラが下落し、

インフレが加速していて、デフォルト懸念が浮上しています。

実際、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)は、279ポイントまで上昇しています。

 

この状況、特にトルコリラ安を招いたのは

エルドアン大統領によるものと言って良いでしょう。

エルドアン大統領は、中央銀行の独立性を無視するような発言や

「利上げすればインフレが起きる」という経済学を無視したような発言をしています。

この発言を機に、リラは1週間で10%程下落しましたが、現在は落ち着いています。

とは言っても、歴史的な通貨安であることに変わりはありません。

現在のトルコリラの状況

楽天証券より

2008年6月から2018年6月までの10年チャートです。

現在、トルコリラ円は24.51円です。

5月のエルドアン大統領の発言時の23円台をつけて、現在は戻しています。

6月7日に政策決定会合が開かれ、

政策金利を1.25%引き上げ17.75%にしたことが影響していると思います。

しかし、2007年の時は90円を超えていたことを考えると

24円というのは下げすぎです。

この為替の状況は、円以外の通貨、ドルに対しても同様でトルコリラは下落しています。

 

ここ10年、トルコリラが下げ続けている中

トルコ経済は安定的に成長していて、ファンダメンタル的に悪くはありません。

それでは、トルコ経済の状況を確認してみます。

名目GDPと経済成長率の推移

2017年のトルコの経済成長率は予想の6.7%を大きく上回る7.4%成長でした。

クーデター未遂事件があった2016年の3.18%を除けば

ここ5年は、5%を超え安定的に成長しています。

トルコリラが下落し続けている10年間、トルコ経済は着実に成長しているのです。

 

しかし、インフレ率は2017年から上昇が加速し、

6月11日に発表されたCPIは12.28%と今後さらなる上昇が見込まれています。

また、2018年の経常赤字は国内総生産比6%を超える見通しで、

経済の脆弱性が高まっていることは忘れてはいけないでしょう。

次に、株式市場の状況を見てみます。

トルコ株価指数とiシェアーズ MSCI トルコ ETF(TUR) 10年チャート

Yahoo Financeより

トルコの代表的は株価指数であるイスタンブール100の10年チャートです。

ここ6ヶ月は、アメリカの利上げ政策による新興国から資金流出の影響もあるのでしょうか。

株価は直近の高値より20%ほど下落していますが、

10年間、経済成長の発展に伴い株価も上昇しています。

 

株価指数チャートと為替チャートを比較すると、動きは対照的です。

トルコリラは10年間一貫して下落しているのに、株価指数は停滞局面はあるものの上昇しています。

トルコリラの下落は株価には直接関係無いようです。

トルコのGDP成長は消費主導であるため、減税などの政府刺激策の影響の方が、

通貨安の影響よりも強いため経済は成長し、株価も上昇しているのでしょう。

 

ここで、NASDAQに上場しているトルコETFの

iシェアーズ MSCI トルコ ETF(TUR)のチャートも見てみます。

楽天証券より

イスタンブール株価指数と比べて、だいぶパフォーマンスが良くありません。

イスタンブール株価指数が10年で2倍になっているのに

iシェアーズ MSCI トルコ ETFは10年前とほぼ変わらない状況です。

 

それぞれの構成銘柄を比較してみると

TURの構成銘柄トップ10に入っている銘柄は、

イスタンブール100のトップ16までに入っていますが

TURに組み入れられていないADEL、SNGYOのような銘柄もあり、

構成割合にも違いがあることがわかります。

 

しかし、このことを考慮したとしても、イスタンブール100とTURの

パフォーマンスの差は大きすぎます。

 

TURはドル建てで運用されています。

現在6月11日の段階で、ドル/トルコリラ=4.482トルコリラ

10年前のドル/トルコリラ=1.5トルコリラ

現在の価値より3分の1程度減価していることを考慮すると

このパフォーマンスの差の要因として考えられるのは為替、

ドルに対するトルコリラ安が原因であると言えるのではないでしょうか。

エルドアン大統領が退陣すれば

エルドアン大統領は、先にも述べましたが

彼独自の発言・政策によりトルコリラ安・インフレを招き

トルコ国民、特に、労働者階級の生活を逼迫させトルコを混乱させています。

しかも、エルドアンは大統領の権限を拡大する方向で動いており

さらに、エルドアンの独裁色が強まる恐れがあります。

 

また、エルドアン大統領はシリア問題などで米国を避難しており

「イスラム文明は欧米に屈しない唯一の文明だ」と発言しているように反欧米色が強い大統領です。

 

現在、トルコの外貨準備高は、

今年償還期限を迎える債務に対する比率が既に90%を割り込んでいます。

年内中に新規の借り入れ手段や、外貨準備の積み増しがなければ

デフォルト(債務不履行)となる水準に達しているにもかかわらず

エルドアン大統領はIMFの受け入れに対して消極的です。

 

このようなエルドアン大統領の発言・政策により危機的状況に陥っている

トルコが、6月24日に行われる大統領選挙で劇的な変化をするかもしれません。

大統領が変わり、これまでの政策が一変し、反欧米色が薄まり

デフォルト直前でIMFの支援を受け入れることになれば、

トルコリラは一気に適正な水準に戻り

ドル建てで運用されているiシェアーズ MSCI トルコ ETF(TUR)も急騰する可能性があります。

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